ポップアップストアやショールームのBGM、どうやって鳴らすか
- 14 時間前
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こんにちは。エンジニアの梅木です。
このブログは、音の事にちょっとだけ人より詳しくなって、音楽をより楽しんでもらう事をコンセプトにつらつらと記事を書いています。寄り道多めですがそれも楽しんで頂ければ幸いです。
期間限定のポップアップストアやショールームの音響について相談をいただくことが増えてきました。

ライブやイベントの音響とは少し違って、BGMを空間にどう馴染ませるか、という話になります。今日はそのあたりをお話しようと思います。
まず前提として、ポップアップストアやショールームにおけるBGMの役割は、主役ではなくて脇役です。商品やブランドの世界観を支えるために鳴っている音で、お客さんが気づかないくらいがちょうどいい。逆に言うと、BGMが耳障りになるのは良くないです。
とはいえお客さんと定員さんのコミュニケーションを円滑に進めるためには必要なものですよね。
そういう空間の音響を作るとき、まず気にするのがスピーカーの見た目です。
せっかくデザインに凝った空間を作っても、スピーカーが主張しすぎると台無しになります。最近はコンパクトでデザイン性の高いスピーカーが増えていて、壁や天井に馴染むようなシンプルなものも多く出ています。設置場所や空間のトーンに合わせて選ぶことが大事で、「とりあえずこれ」ではなくて、インテリアの一部として考える必要があります。
次にスピーカーの配置の話です。
たまに見かけるのが、スピーカーを1〜2台置いて大きめの音量で鳴らすやり方ですが、これはポップアップやショールームにはあまり向いていません。スピーカーの近くでは音が大きすぎて会話しづらくなるし、遠い場所では聴こえにくくなる。音量のムラが出やすいです。
これを解決するのが、スピーカーを多く配置してそれぞれから小さく鳴らすやり方です。
たとえば4台のスピーカーを空間の四隅に分散させて、それぞれをやや小さめの音量で鳴らす。そうすると空間全体にまんべんなく音が届いて、どこにいても同じくらいの音量で聴こえます。スピーカーの近くで会話が聴こえなくなる、という状況も起きにくくなります。
スピーカーの台数が増えるとコストが上がるように思えますが、小型のスピーカーを複数使った方が、大型のスピーカーを少数使うより安くなることも多いです。

スピーカーの向きの話もあります。
一般的にはスピーカーをお客さんに向けて設置しますが、あえて天井に向けて設置することもあります。天井に音をバウンドさせて、反射した音を空間に広げる方法です。
直接音が耳に届くと、音の出どころがはっきりわかります。スピーカーがどこにあるか、なんとなく気になってしまいます。天井バウンドにすることで、音の出どころがぼやけて、空間全体から音が包んでくるような感覚になります。BGMが脇役に徹してくれる、という意味で、ポップアップやショールームには向いているやり方だと思っています。
音量や音質の設定も重要で、目安としてはお客さん同士が普通の声で会話できる音量にとどめることです。
BGMが大きすぎると、お客さんは無意識に声を張り上げるようになります。気づかないうちに疲れてしまって、長居しにくい空間になります。反対に小さすぎると、静かすぎて逆に落ち着かない場合もあります。
ポップアップストアやショールームで「なんかこの空間、居心地いいな」と感じる場所は、だいたい音の設計が丁寧にされています。音楽のジャンルやテンポ、音量、音質、スピーカーの配置、全部が空間のデザインと一緒に考えられています。
BGMはあくまで脇役ですが、脇役が上手いと空間全体のクオリティが上がります。
ポップアップやショールームの音響についてご相談があれば、お気軽にどうぞ。
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