立川ステージガーデンでモニターエンジニアしてきた話
- 2 日前
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こんにちは。エンジニアの梅木です。
このブログは、音の事にちょっとだけ人より詳しくなって、音楽をより楽しんでもらう事をコンセプトにつらつらと記事を書いています。寄り道多めですがそれも楽しんで頂ければ幸いです。
先日、立川ステージガーデンでモニターエンジニアをしてきました。

モニターエンジニアというのは、ステージ上のアーティストが自分の声や演奏を聴くための音を作る担当のことです。お客さんに届ける音を作るハウスエンジニアとは別に、アーティスト側の音を専門に担当します。
ライブを見に行くと、ステージの前の方に斜めに置いてある(足掛けるのに丁度いいところにあるから掛けられるけど、止めてほしい)スピーカーを見たことがある方も多いと思います。あれがモニタースピーカーで、アーティストに向けて音を返すためのものです。
今回の現場では、アーティストはイヤーモニターを使っていました。
イヤーモニターというのは、カスタムの耳栓のような形をしたイヤホンで、自分専用にフィットした形に作られているものも多いです。ライブでアーティストが耳に何かつけているのを見たことがある方もいると思いますが、あれです。外の音を遮断して、自分に必要な音だけをクリアに聴くことができます。今回はSHUREのSE425を使用しました。

ただイヤーモニターはトラブルが起きることもあります。
電波が落ちる、音が途切れる、機材が不具合を起こす。そういった時のためにバックアップのスピーカーを必ず用意します。
舞台の前後をサイドスピーカーで挟むように合計4発、フットモニターと呼ばれる足元のスピーカーを舞台の前と壇上に6発ずつ、合計16発仕込みました。
イヤーモニターが万が一トラブった瞬間に、スピーカーでカバーできる状態を作っておくわけです。
ここで少し、イヤーモニターの使い方について話をしようと思います。
イヤーモニターを片耳だけ使うアーティストがいます。片方を耳に入れて、もう片方は外して使う、あのスタイルです。ライブでよく見かける光景だと思います。
ただ音響エンジニアの立場からすると、これはなかなか難しい状況を生み出します。
片耳でイヤーモニターを使うと普段の生活では自然に起きない特殊な状況になるので、あまりおすすめしません。 音に酔ってしまったり、片耳で聴くと音が小さく聴こえるため、必要以上に音量を出しすぎて難聴になりやすくなります。 おすすめは出来ません。
とはいえ臨機応変にアーティストが歌いやすいように音を作るのが、モニターエンジニアの仕事のひとつです。モニターエンジニアは基本的にステージ袖や舞台脇にミキサーを構えていて、アーティストそれぞれに必要な音をリアルタイムで調整しています。
たとえばボーカルは自分の声をしっかり聴きたい、ギタリストはドラムのキックとベースを聴きたい、ドラマーはクリック音だけでいい、といった具合に、メンバーごとに必要な音が全員違います。
それぞれに対して別々のミックスを作って届けるわけです。メンバーが5人いれば、5種類の異なる音を同時に管理することになります。
リハーサルの段階でアーティストとコミュニケーションを取りながら、「もっとボーカルが欲しい」「ドラムが大きすぎる」といった要望を受けて調整していきます。本番中も演奏の流れを見ながら微調整を続けます。
ハウスエンジニアがお客さんに向けて音を作るのに対して、モニターエンジニアはアーティストのパフォーマンスを支えるために音を作ります。お客さんには聴こえない部分ですが、アーティストが気持ちよく演奏できるかどうかに直結する、重要な仕事です。
立川ステージガーデンは音響的にもしっかりした会場で、気持ちよく仕事ができました。こういった大きな現場でモニターを担当するのはやりがいがあります。

