VTuberをライブハウスで!? SYNCROOMを使った音楽イベント!
- 1 日前
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こんにちは。 エンジニアの梅木です。
このブログは、音の事にちょっとだけ人より詳しくなって、音楽をより楽しんでもらう事をコンセプトにつらつらと記事を書いています。
寄り道多めですがそれも楽しんで頂ければ幸いです。
YAMAHAが提供する音楽セッションサービス
SYNCROOM ってご存知ですか?

SYNCROOMとは超低遅延でのセッションを可能にするソフトで、コロナ禍にはレッスンなどにも使用されていました。
もちろん現在でも使用されていると思いますが、一時期よりは聞かなくなりました。
そんな中、今どきな問い合わせがありました。
SYNCROOMを使ってオフラインライブをしたい
一見矛盾しているような言葉です。
お客様はライブハウスに足を運んで大きな音を楽しみながらLEDビジョンに移されたVTuberを応援する
VTuberの皆さまは自宅やスタジオでパフォーマンスを行う
なるほどこれは面白いイベントだと思いました。
確かにいままでもそういったライブはあったと思いますが、少なくとも演者が現地に居ることが多かったように思います。出演者が会場に居ないというのが不思議な感じでした。
まずこの仕事をお受けできるかどうか分からないので、自社にて検証を行いました。
PCを複数台用意して、ソフトウェアの癖と音の遅延の具合や音の入出力方法などを調べました。
ソフトウェアの癖としては 無料会員の場合1部屋開始から6時間まで 一旦全員退出されればリセット 入力は標準設定だとモノラル 設定変更でステレオに変更可能 ソフトウェア単体だと2IN 2OUTが限界で、演者の皆さまの声はひとまとめになってしまう仕様でした。
音響さんとしては演者の皆さまの声はバラバラに出力してそれぞれ音声処理したいものです。
もう少し調べてみるとVSTプラグインを使用すると入力は変わらないものの、出力はすべて個別に取り出せる事が分かりました。
しかし私は普段AppleのLogicProを使用しているので、VSTプラグインが動作しません。
とりあえず無料で使用できるREAPERにて進めてみました。 インストール方法などは調べれば出てくるので割愛します。
一旦REAPERとMOTU828mk3を使用して、検証してみました。
問題なくそれぞれに出力出来たものの、モニター送りを検証すると、200msほど遅れてしまう現象が発生しました。 200msというと分かりにくいですが、0.2秒遅れるということです。 拍手のテンポでタンタンッ! くらいです。
これでは会場からVTuberさんに音を返した場合、遅すぎます。
会場からオケを送る仕様で行きたいということだったので、会場からVTuberに送って歌ってもらった音声が会場に戻ってきたら0.2〜3秒遅れてるということです。 オケと声を合わせられません。
これは困った。
会場のオケだけ音を遅らせて合わせる事は可能ですが、0.2秒というのはなんとなく嫌です。
そもそもSYNCROOMの旨味とはなんだったのか。
VSTプラグインを使わなければもっと早くやり取り出来ているのは間違いないので、なにかに原因があると踏んでインターフェースを変更してみましたが変わらず 結局色々やりましたが原因はREAPERでした。
ライブの時、リバーブなど空間系のプラグインを動かす別のVSTホストプラグインを使用すると劇的に改善しました。
どのくらい改善したかというと、会場からVTuberの返しに声を返してもギリ歌えるくらいの遅延になりました。
大体20ms前後かと思います。
音の速度でいうと7m離れたスピーカーから自分の声が聞こえるくらいの距離です。 すごい。
とはいえ遅れているのは変わりないので、VTuberに送る音と会場のオケのディレイは変えられるように設定しました。

エアーマイクも仕込み、会場の熱気もVtuberの方に伝わり、リアルタイムでの掛け声や全く違和感のないお客様とのやり取りを見れて嬉しかったです。
無事本番も終わり大変おもしろい現場となりました。 こういった音響の知識とソフトウェアの両方を兼ね備えないと難しい現場は楽しいですね。 お困りの事がありましたらお気軽にお問い合わせください。
それではまた。

