YAMAHA DM3導入|小規模な現場はこれ一台でいける話
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こんにちは。エンジニアの梅木です。
このブログは、音の事にちょっとだけ人より詳しくなって、音楽をより楽しんでもらう事をコンセプトにつらつらと記事を書いています。寄り道多めですがそれも楽しんで頂ければ幸いです。
YAMAHA DM3を導入しました。

小規模な現場であれば、これ一台でほぼ全部いけるんじゃないかと思っています。今日はそんな話をしようと思います。
DM3はYAMAHAが2023年に発売したコンパクトなデジタルミキサーです。重さは6.5キロで、見た目もすっきりしていて持ち運びやすいサイズです。アナログ入力が16チャンネルあって、マイクやライン機器をしっかり繋げます。
デジタルミキサーというと、大きくて複雑そうというイメージを持っている方も多いと思います。DM3は9インチのタッチスクリーンがついていて、スマートフォンを操作するような感覚で設定できます。YAMAHAのミキサーは業界でとても広く使われているので、操作感に慣れているエンジニアも多く、現場での共通言語として使いやすいのも助かるポイントです。
小規模な現場、具体的にはライブハウスの小さなステージ、会議や講演会、小規模なイベントであれば、このDM3一台で音響をほぼ完結できます。Danteという音声をネットワークで送れる規格にも対応したモデルがあって、将来的にシステムを拡張したい場合にも対応できます。
後からオートミキサーという機能も追加されました。
オートミキサーというのは、複数のマイクを使う場面で自動的に音量を調整してくれる機能です。たとえばパネルディスカッションや会議など、複数の人がマイクを持って話す場面では、全員のマイクを常にオンにしておくとハウリングのリスクが上がったり、音が団子になったりします。オートミキサーは話している人のマイクを自動で持ち上げて、話していない人のマイクを自動で下げてくれます。
ただ、ここで少し気になる話があります。

YAMAHAの上位ミキサーであるCLシリーズやQLシリーズ、TFシリーズには、Dan Duganという会社が開発したオートミキサーが搭載されています。これは業界で長年使われてきた非常に評価の高い技術で、特に複数の発言者がいる現場での自然な動作に定評があります。
DM3に搭載されているオートミキサーは、このDanによるものではなく、YAMAHAが独自に実装したものです。会議やトーク系の現場では十分に機能しますが、上位機種のDuganとは別物だということは頭に入れておいた方がいいかもしれません。現場の規模や用途によって使い分けを考える必要があります。

もうひとつ、DM3ならではの面白い機能があります。
ファームウェアのアップデートでインサート機能が追加されて、VSTプラグインをミキサーのチャンネルに直接挿せるようになりました。VSTプラグインというのは、パソコンで音楽制作をしている方にはおなじみの、音を加工するソフトウェアです。これをミキサーのチャンネルに差し込んで使えるようになったわけです。

DM3に付属するVST Rack Elementsというソフトで基本的なプラグインが使えますが、さらにRUio16-Dを持っている人はVST Rack ProというソフトウェアがDM3でもそのまま使えます。コンパクトなミキサーでここまでできるのは、なかなか面白いポイントだと思っています。
WAVES LV1のような本格的なソフトウェアミキサーほどの拡張性はありませんが、小規模な現場でプラグインを活用したいという場面には十分対応できます。
DM3は小規模な現場をカバーするミキサーとして非常によくできた一台だと思っています。持ち運びやすく、操作しやすく、必要な機能がきちんと揃っている。オートミキサーやVSTインサートといった機能も後から追加されて、発売後もアップデートで進化し続けているのも好印象です。

